松原耕二 「ぼくは見ておこう」

「自分のためにプレーしながら、それがチームのためにもなる」カッティヴェリア

 

塩野さんは続ける。

「一流には、これはどの仕事でも同じことですが、悪意を欠いてはなれないのです。中田選手が所属していたペルージャの監督、マッツォーネの言葉が思い出されます。『すべてをもっているナカタだが、カッティヴェリアだけはまだ会得していない』」

そして彼女はこう締めくくった。

「積極的な意味の『悪意』が人間を神に変えうるのだと、ヨーロッパ的なヨーロッパ人は思っているのです」

 

釜本さんはコーヒーをひとくち飲んだ。

「花道を歩いていく人は、ずっと花道を行くんですよ。役者もそうでしょう。主役がいて脇役がいる。水戸黄門のドラマでも黄門さまがいて、助さん格さんがいる。花道を行く人はずっと花道を行くし、脇役はずっと脇役。なんでもそうでしょう」

 

スティーブ・ジョブス

「もし私が大学をドロップアウトしていなかったら、あのカリグラフィーのクラスにはドロップインしていなかった。そしてパソコンに今あるような素晴らしいフォントが搭載されることはなかっただろう。もちろん大学にいたころの私には、まだそんな先まで考えて、点と点をつなげることなんてできなかった。

 でも、10年経って振り返ってみると、はっきりとわかる。つまりこういうことだ。点と点を将来に向けてつなげていくことはできない。できるのは過去を振り返ってつなげることだけだ。だから今はただの点だけであっても、将来は何らかの形でつながっていくと信じなければならない。自分の根性でもいいし、運命、人生、カルマ(業)でも何でもいい。とにかく信じることだ。信じれば確信をもって歩んでいける。人生を変えることができるんだ。」

 

『老後も進化する脳』 リータ・レーヴィ・モンタルチーニ著

 

映画監督山田あかねさん

「映画に限らず、やりたいことがあれば手を挙げてみること。学生時代にタイムトラベルできたら、若き日の自分に言ってやりたい。もっと前向きに考えれば、もっと早く夢が実現できるのよって」

 

『何でも見てやろう」小田実